第二話:足るを知るより足りないを知らなかった
私の好きな言葉に「足るを知る」という言葉があります。
どーも!りおしゅうです。
この言葉は老子の言葉らしいです。老子の中に出てくる一部分が取り沙汰されて有名になったのですね。
今のマスメディアの政治家へのインタビューのようです。
原文(書き下し文)
人を知る者は智、自ら知る者は明(めい)なり。人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。その所を失わざる者は久し。死して而(しか)も亡びざる者は寿(いのちなが)し。
現代語訳
他人を理解する事は知恵のはたらきであるが、自分を知る事はさらに明らかな知恵のはたらきである。
他人に勝つ者は力のある者だが、自分自身に打ち勝つ者は、本当に力のある者である。
満足する事を知っている者が豊かな者で、更に努力を続けることができる者は本当に豊かな者である。
自分自身を見失わないのが長続きをするコツである。死にとらわれず、「道」に沿ってありのままの自分を受け入れる事が本当の長生きである。
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こうして改めて原文及び全体を読み返してみると、言葉の意味合い・ニュアンスが変わってくるから面白い。
世間一般のイメージは「足るを知る」
=「今持っている幸せに気付く、目を向けることが大切だよ」といった感じだと思います。
しかし、老子で言っているのは、「足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。」=「今持っている幸せに気付くのはいいことだが、努力を続けるのはもっといいことだよ」
といった努力に対する賞賛の為のお膳立てに過ぎない印象です。
もちろん人によって言葉の解釈の仕方は様々でしょう。老子が言いたかったのはもっと別なところかもしれません。
しかし、私には少なくともそのように感じられ今の心境に響くものがあったのでした。
「足りないを知った」今、出来ることが何なのかよく考えて、「足るを知る」のその先へ一歩踏み出すべきと老子が背中を押してくれている気がします。